拒絶理由通知を受けたとき

拒絶理由通知とは

出願審査請求の手続きをした案件について、審査官が「既に出願されている他の発明と同じ」「従来技術から容易に考えつく」等特許できない理由を示す書面が「拒絶理由通知」です。出願人は「拒絶理由」を解消するために意見書や補正書を提出することができます。

拒絶理由通知への対応

「拒絶理由通知」に対しては以下のような対応が考えられます。

  • ・意見書=審査官の認定に対して反論します。
  • ・補正書=特許請求の範囲の補正を行って、拒絶理由通知書で示された拒絶の根拠を解消して権利化をはかります。
  • ・出願の分割=出願から一部の発明を抜き出して、別の新しい出願とします。
  • ・出願の変更=特許出願した発明を、実用新案登録出願や意匠登録出願に変更します。

代表的な拒絶理由と意見書の対応は以下の通りです。(以下、・特許法条文=概念・意味→対応の順)

  • ・第29条2項=進歩性(「他の公知発明から容易に考えつく」)
    →他の発明では容易に実現できない点、他の発明では得られない本願の構成及び効果を意見書で主張する。
  • ・第36条=記載不備→記載内容を審査官の指摘に合わせて適正化する。

拒絶理由通知対応のポイント

単に登録を狙うだけであれば、請求項に大きく補正を加えて限定する方法も考えられます。しかし、それでは権利範囲を著しく縮小してしまうことになります。「特許権侵害だ」と他社に対して警告騒ぎを起こしたものの、実際に請求項から判断すると権利範囲が狭すぎて適用できずに尻すぼみ、というニュースも耳にします。

拒絶理由通知に対しては、安易な限定は避け、自社の事業や他社の技術動向に沿った特許権獲得を目指すことが重要です。