米国特許関連の用語解説集です。単なる翻訳辞書と異なり、特許で使用された場合の語句の意味や、米国での具体的な判例を通した対応の指針など、米国特許出願における実務レベルの対応に役立つ情報をまとめました。

誤りなどお気付きの点がありましたら、是非ご連絡ください。


■D

数字ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ


damage

損害。損害のタイプには、損失利益(lost profit)、相当な実施料(reasonable royalty)、それに意匠(design patent)の場合は侵害者利益(infringer's profit)が含まれる。


de novo

あらためて、初めから(from the new)。今までにない類の初めての事件(裁判)。


decision on petition

請願決定書。一部の発明者に誠実に対処してもサインが得られない場合に提出した請願書(petition)に対する特許庁の決定書(37CFR 1.47(a))。


declaration

宣誓書。宣誓者が作成し、公証を受けていない書類。出願時に提出される宣誓書には、最先の発明者であること、出願内容を理解していること、情報開示の義務を負うこと、発明者の氏名が明示されていること、等が記載される。


declaration and power of attorney

宣誓書及び委任状。発明者が発明したことを表明し、署名した書類と代理人への委任状。両書類は、出願から2ヶ月又は補正指令が出てから30日以内(期間延長可)に提出しなければならない。但し、補正指令は、出願から2ヶ月してもこれら書類が提出されない場合に発せられるので、提出期限は出願から約3ヶ月ということになる。


declaratory judgment action

確認判決訴訟(DJ Action)。特許権者から警告を受けた者が、地理的に優位な裁判管轄を選択し、ユーザに対して製品が非侵害であることを補償する意味合いがある。費用は60〜100万ドル/年。


deposition

証言録取。質問状に対する回答として証言を得るもので、供述人(deponent)又は証人(witness)が証言を行う。


description requirement

記載要件、明細書の3つの記載要件の一つ。明細書には、発明を充分に明確かつ適切な用語で記載しなければならないという要件。具体的には、1.クレームに記載された発明と明細書に記載された発明が一致すること、2.クレームで使用した用語は明細書中に充分に記載されていること。尚、構成要素が予測可能であればクレームと明細書における不一致の問題が解消される。更に、数値限定発明にも記載の一致が必要である。


design

意匠。


design application

意匠出願。


design choice

設計上の選択。


Dieher case

ディア事件(Diamond v. Diehr, 最高裁 1981)。1981年最高裁判決で、ゴムのキュアリング方法に関してクレームの一部にコンピュータによる計算式が含まれる発明であっても、物理的処理を含めた全体としてのクレームにプロセスとして特許性があるとの判断を下したもの。つまり、自然法則、自然現象、抽象的なアイディアは特許保護適格性(patent eligibility)がないが、それらの応用には特許保護適格性があると判示。


direct infringement

直接侵害(§271(a))。米国国内において特許権の存続期間中に特許発明を許可なく生産、使用、販売の申し出、販売又は輸入する行為を、特許侵害とするもの。尚、物の製造方法の特許で製造した物の輸入については、プロセス特許侵害(§271(g))により侵害行為となる。


disavow

意見書等で責任を否認する。


disclaimer

権利放棄(§253)。権利放棄にはstatutory disclaimer(法定放棄)とterminal disclaimer(存続期間の放棄)がある。


disclosure

自主開示。相手方からの情報開示の請求がなくても、当事者は一定の情報を開示する義務がある。


discovery

開示手続、発見(§110)。開示手続きとは、当事者が事件に関する情報を開示し、収集するために法定外で公判前に行われる手続。米国裁判における集中審理では、一方の当事者から不意に重大な証拠が提出されると、他方が十分に反論できないことになる。このような事態を防止して公平な審理を行うための制度。ディスカバリーの機能は、不意打ち防止機能、証拠収集機能、証言凍結機能がある。
証拠収集機能とは、訴訟の一方の当事者からの要求により、自己の証拠であれば訴訟の争点に関する事実及び証拠を示し、証拠は閲覧させる義務を負うというもの。証言凍結機能とは、一旦行った証言を凍結するというもの。
ディスカバリーの内容は、質問状(written interrogatories参照)、証拠書類提出要求(request for production of document参照)、証言収録(deposition参照)、自認の要請(request for admissions参照)がある。


discretion

裁量。裁量権。


dismiss

却下。


dissenting opinion

裁判官の反対意見。


District Courts

連邦地方裁判所。ごく限られた場合に3人となるが、通常1人の裁判官の法廷となる。
USPTOの審判部の拒絶査定を支持する審決等に不服な場合、ワシントンDCのコロンビア地区連邦地方裁判所に提訴できる(§145)。


divisional application

分割出願(§121)。親出願に開示された発明であって、親出願でクレームされなかったクレームについて親出願の出願日で出願できるもの。
米国特許法121条の分割出願は、出願日が1995年6月8日から2000年5月28日までのものは、規則1.53(b)、規則1.53(d)のいずれかを選択して行うことができる。
2000年5月29日以降の出願は、規則1.53(b)の手続でしか分割出願を行うことができない。規則1.53(b)の手続は、特許発行前まで分割が可能である。規則1.53(d)の手続は、特許料の支払前まで分割が可能である。
尚、規則1.53(d)の手続は、CPA(審査継続出願)と呼ばれ、拒絶査定に対する分割を簡易に行う場合によく利用される。


DJ action

確認判決訴訟(declaratory judgment action参照)。


doctrine of equivalent

均等論。明細書、図面に開示された限りにおいて発明の構成、物質、作用が実質的に同じであれば例外的に侵害を認めるとする(Graver Tank 事件参照)。クレーム記載の文言のみで特許権の権利範囲を特定すると、些細な違いで範囲外になってしまうため、特定の要件の下で拡張解釈を認める。
均等論は、対象製品が特許発明と、1.基本的に同一の方法で、2.基本的に同一の機能を果たし、3.同一の結果を果たす場合に適用される。この要件をFWRテスト(FWR test参照)、又はtriple identityテストと呼ぶ。
侵害訴訟では、まず、文言侵害、続いて均等論による侵害を判断される。尚、地裁で文言侵害のみの主張を行い、均等論での侵害を主張しなかった場合、CAFCで均等論を主張できない。これは、CAFCが専ら法律問題を審理するからである。


double patenting

重複特許、二重特許。重複特許には、出願人(発明者)が異なる場合と出願人(発明者)が同一の場合とで対応が異なる。出願人が異なる場合は、§102(e)(g)で拒絶になり、その後はInterferenceの問題となる。また、出願人が同一の場合は、重複特許で拒絶になり、重複する該当クレームの存続期間を一部放棄(terminal disclaimer)することで対応できることがある。
重複特許とは、同一発明者(同一譲受人)による2の特許出願において、請求項が同一であることをいう。重複特許には、同一型(same invention type double patenting)と自明型(obviousness type double patenting)があり、双方とも拒絶される。尚、自明型は、存続期間の一部放棄(terminal disclaimer)により拒絶を回避できるが、同一型は回避できない。


drawing

図面。


due date

期限。


duty of candor

廉潔癖義務。


dwelling address

居所。


数字ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ