米国特許関連の用語解説集です。単なる翻訳辞書と異なり、特許で使用された場合の語句の意味や、米国での具体的な判例を通した対応の指針など、米国特許出願における実務レベルの対応に役立つ情報をまとめました。

誤りなどお気付きの点がありましたら、是非ご連絡ください。


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abandon

放棄。権利の主張を自ら断念すること。米国法における権利放棄の要件には、放棄を客観的に示す行為(external act)と放棄の意思(intention)が必要。


Abele case

アベレ事件(In re Abele, CCPA, 1982)。ソフトウェアの発明性を示した事件。但し、State Street Bank Caseで新基準が示され、今では利用されていない。Abele caseでの判断は、第1に、クレームにおいて計算方式が直接又は間接的に用いられている場合であって、第2に、その方式がクレーム全体としての物理的要素のいずれかに適用されている場合に、§101の要件(法定の保護対象要件主題が特許の対象となること)を満たすとされる。


Abstract

要約書、抄録。以前、要約書は権利解釈に用いられないとされたが、判例により要約書の内容も権利範囲を確定する資料に用いられることとなった(CCS Fitness, Inc., v. Brunswick Corporation CAFC 2002.5.3)。


abstract ideas

抽象的アイデア(特許の保護対象から除外されたもの)。


abuse of discretion

裁量権の濫用。陪審の事実認定で原判決を取り消すに当たり、裁判所の決定に誤り等があるとする場合に適用される基準。


active inducement

積極的誘発行為(§271(b))。他人の直接侵害を積極的に且つ故意に幇助又は示唆する行為であり、侵害となる。


actual reduction to practice

現実の実施化。実施化についてはactualとconstructive(constructive reduction to practice参照)がある。現実の実施化は、発明の実用性を確認するためのもの。


Administration Law Judge

ITCにおける裁判官(ALJ)。


Admissions

自認。明細書又は審査中に提出されたその他の文書の中に、発明日以前から一定の情報が発明者に知られていた旨の記載があれば、それは先行技術を構成するものと出願人によって自認されたものである。


admitted prior art

自認した先行技術。特許出願においては、公知であるか否かを問わず出願人が自ら出願明細書の従来技術の欄に記載した技術内容のことをいう。自認した先行技術に他の先行技術が組み合わされて、発明の非自明性が否定されることがある。


advisory action

勧告的通知。最終拒絶に回答したが、拒絶理由が解消されないと、審査官から通知される意見。このactionへは、継続審査請求(RCE[参照])で対応できる。


Affidavits

宣誓供述書。宣誓供述者が作成し、公証人による公証を受けた書類(類 declaration宣誓書)。


Affiliate

関連会社。


Agreement

契約。


ALJ

Administration Law Judge参照。


all element rule

クレームにおける全構成要素で技術的範囲を決定する原則。


Allowance

許可、特許査定(notice of allowance参照)。


Amendment

補正。拒絶理由等に対して補正は可能であるが、35USC§132は出願当初の明細書及びクレームへの新規事項(new matter)の導入を禁止している。新規事項とは、出願当初の開示からの逸脱した内容を明細書及びクレームに追加のことである。よって、出願当初の明細書等に開示されていた記載を明確にする訂正、若しくは明細書等に本来開示されていた事項に、クレームを適合させる訂正は新規事項禁止の違反とはならない。
訂正されたクレームに対しては、出願当初の開示内容に補正の根拠がないと考えられる場合は、35USC§112第1パラグラフを拒絶の根拠とし、新規事項を追加した要約書、明細書又は図面に対しては、35USC§132を拒絶の根拠としている。


amicus brief

法廷助言書。当事者でない第三者が裁判所に提出する意見陳述書。


Anglo-American Law

英米法。


Answer

審査官の答弁書。審判において、拒絶した審査官に答弁させる書面。Final Actionの理由の繰り返しとなる。


Antecedent

先行詞(lack of antecedent basis参照)、前項、従属claimの場合に親となるclaim。


Anticipate

発明の予期。先行技術(prior art)に基づき発明が予期可能であったとき、その発明は新規性を失う。拒絶理由でanticipateは新規性がない意味で用いられる。


Appeal

審判。最終拒絶通知(Final Office Action)への応答が審査官に容認されない時は、審判(Board of Appeals and Interferences)に控訴しなければ、出願は放棄されたものとなる。
控訴届(Notice of Appeals)は最終拒絶通知に定められた期間(3ヶ月、延長3ヶ月可能)内に提出しなければならない。更に、控訴届から60日以内に控訴理由書(Brief on Appeal)を提出する。審判請求の期間と勧告的通知(advisory action参照)とは無関係であるから、勧告的通知を審判請求の起算点にしてはならない。
控訴届の提出後は、審査手続が既に終了しているため、クレームの補正、新たなクレームの提出は認められない。
審判の決定に不服の場合、連邦巡回控訴裁判所(CAFC Court of Appeals for the Federal Circuit)に提訴でき、更にCAFCの判決に不服のときは、連邦最高裁に上告できる可能性がある。但し、最高裁では受理されないケースもある。


appeal brief

審判理由主張書。


appearance

外観(商標の類似の一要素)。


appellant

控訴人。


appellee

被控訴人。


applicant

出願人。米国では発明者しか出願人になれない(37CFR 1.41(a))。企業は、職務発明の場合でも特許を受ける権利を譲り受け、譲受人(assignee)として手続を行う。


application number

出願番号。出願が方式に適合すると、出願番号が付与され、出願番号と出願日が通知される。
出願日が認められ、出願番号が付与されるには、1.すべての発明者の表示、2.明細書、少なくとも1つのクレーム、必要な図面、を要する。出願番号は、10年を単位とし、連続番号が付される。


art-recognized equivalents

当該技術分野において承認されている均等物。


artisan of ordinary skill

当業者。


assignee

譲受人(ゆずりうけにん)。


Assignment

譲渡。


attorney-client privilege

弁護士と依頼人との間の不開示特権。開示要求(discovery)に対して、一定の免除事項(privileged matter)を除き、いかなる事項も開示の対象となる。不開示特権は、その免除事項の一つに該当する。


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